SCVMM を使ったシステムのシャットダウンの仕方
東北地方太平洋沖地震の影響などによる計画停電が続く中、現在停電の対象になっていない地区であっても、夜や週末に向けてHyper-V 環境を停止する必要があると思います。
そのため、別の記事として Windows Server や Hyper-V 環境のシャットダウン方法 について投稿させていただきました。
そして今回取り上げるのは System Center Virtual Machine Manager (SCVMM) というマイクロソフトが提供する仮想環境の統合管理ツールについてです。
おそらく、複数の Hyper-V や SCVMM を利用している環境のご担当者でしたら、シャットダウンする方法に悩まれることもないでしょう。
しかし、現在は異常事態でもあり、普段 IT を操作しない方がシャットダウン処理をせざるを得ないという状況があるかもしれません。
この投稿では、通常の運用ならば注意するであろう細かな点はあえて無視し、誰にでもシャットダウンの処理をしていただけるように非常に簡単にまとめたものになります。
リスクを怖がって何もしないでいきなり停電を迎えるよりも、最低限の処理をしておいた方が良いという観点でいただければと思います。
ご理解のほど、よろしくお願いします。
注意
くどいようですが、ITご担当者もしくは担当のベンダー様がいらっしゃる場合は、通常通りの手順で、無停電電源装置や専用の管理ツールの利用、稼働中のアプリケーションを意識したご対応をお願いします。
また、本来ならば事前にバックアップを取っていただけると安心です。
バックアップを含む停電への対策つきましては、TechNet のサイトにまとめてありますので、こちらをご覧ください。
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【SCVMM を使ったシステムのシャットダウンの仕方】
- まずは、管理用サーバー機の前に行ってください。このような画面になっていると思います。
省電力モードなどで画面が暗くなっている場合には、マウスやキーボードを触ってみてください。
- サーバーの画面の前で、キーボードの「Ctrl」と「Alt」と「Delete」キーを同時に押してください。
パスワードの欄が空白なので、管理者の方に聞いたパスワードを入力し、[青い右向き矢印]をクリックしてください。
- ログオンすると、Windows Server 2008 (R2)の画面が表示されます。
- SCVMM の管理コンソールを起動します。
デスクトップにアイコンがあれば、それをダブルクリックしてください。
デスクトップにアイコンがなければ、[スタート]-[すべてのプログラム]-[Microsoft System Center]-[System Center Virtual Machine Manager 2008 R2]-[Virtual Machine Manager 管理者コンソール] の順にクリックしてもらえれば管理画面が起動してきます。
- SCVMM 管理コンソールが起動したら、左下の管理項目ボタンの中から[バーチャル マシン]をクリックします。この作業により、真ん中上部に仮想マシンのリストが表示されるはずです。
- 仮想マシンの中に実行中のものがあるかを確認します。
(実行中の仮想マシンがなければ、そのままもう1つのブログの投稿にある【Windows Server 2008 と Windows Server 2008 R2 のシャットダウン方法】の手順に従ってシャットダウンしてください) - 実行中の仮想マシンがある場合、所有者の欄を確認し、所有者にシャットダウンしてもらうよう依頼してみてください。
もし、シャットダウンの依頼ができない場合は仕方がありませんので、管理者権限にて対応しましょう。
- ここで、一点だけ確認をしていただきたいことがあります。
それは、停電後に物理サーバーの電源を入れた時、仮想マシンを自動的に起動させたいかどうかです。もしも自動起動させたい場合には、9~11の手順を実行してください。 - 自動起動させたい仮想マシンを右クリックして、一番下の[プロパティ]をクリックします。
- 仮想マシンのプロパティ画面が表示されたら、[操作]タブをクリックしてください。
その後、物理サーバーの起動時に行う動作を選択する画面で、下向きの矢印をクリックし、[バーチャル マシンを常に自動的にオンにする]を選択します。
正しく選択されたことが確認できたら、[OK]をクリックして、プロパティの画面を閉じます。
- 自動起動をしたい全ての仮想マシンで設定をします。
- 設定が完了したら、実行中の仮想マシンを右クリックし、[状態の保存]をクリックします。
しばらくすると、仮想マシンの状態が ”実行中” から ”保存された状態” に変わります。
※ SCVMM が仮想マシンとして動いている場合、保存状態になると管理もできなくなります。緊急の状況ですので、仮想マシンを自動起動するようにだけ設定し、状態の保存をしないで次の手順に進んでください。 - すべての仮想マシンで状態の保存作業を行います。
- すべての仮想マシンが、”オフ” もしくは ”保存完了” であることを確認します。
SCVMM が利用されている場合、複数の Hyper-V マシンが動いている可能性もあります。すべての Hyper-V マシン上で動作する仮想マシンをリスト化するためには、左上の[すべてのホスト]がクリックされていることを確認してください。
- すべてのホストで動作する仮想マシンが正常に停止されたら、他にアプリケーションが動いてないか確認してください。
- 動いていたら、それを終了させてください。 これで、管理用サーバーも Hyper-V マシンもシャットダウンすることができます。
- ここからは Windows Server 2008 (R2) のシャットダウン手順となります。
左下の[スタート]をクリックしてください。さらに、[シャットダウン]をクリックしてください。
- シャットダウンのための画面が表示されます。ただし、この状態だとOKボタンが押せません。
そこで、コメントというボックスの中に[停電対策]と入力してください。そうすると以下のようにOKボタンが押せるようになります。
[OK]をクリックすることで、Windows Server 2008 や Windows Server 2008 R2 マシンはシャットダウンされます。
- 物理マシンがシャットダウンされたら作業は完了です。
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非常に簡単ではありますが、以上を理解しておけば、SCVMM 環境と Windows Server のシャットダウン作業が可能です。
Hyper-V は Windows Server の機能なので、Windows Server を正しくシャットダウンできれば、Hyper-V も正しくシャットダウンできます。
また、SCVMM で作業ができれば、Hyper-V マシンが何台あっても、1つの画面から バーチャル マシン (仮想マシン) の保存作業ができて便利です。
さて、停電が終わったら物理マシンの電源を入れ、必要に応じて仮想マシンを手動で起動してください。
普段慣れていない方にとっては難しい作業かもしれませんが、電源がいきなり落ちてしまうことは避けたいので、是非とも頑張ってください。
どうぞよろしくお願いします。
日本マイクロソフト
P.S.
突貫工事のような状況で書いた内容なので、不足や間違いがあれば遠慮なくフィードバックをください。