Microsoft Management Summit 2010 で出てきたキーワードと私の宿題
時差ボケ、夜中の仕事、寝不足。。。かなり辛い出張なのですが、妙に楽しいラスベガスです。
さて、もうすぐイベントも終わりに近づいてきており、いろんな話がありましたが、まずはキーワードを整理しておきましょう。
ちゃんと説明したいものについては別途投稿しますが、まずは簡単に書いておきます。
- Dynamic Systems Initiative - Dynamic IT
- 2003年から進めてきた戦略で、モデル化や仮想化、自動化を軸に開発から運用までを自動化する仕組みのことです
- Visual Studio Lab Management
- Dynamic IT の中で語られていた「アプリケーション開発とインフラ管理をつなぐ」具体策の1つ?
- モデル化は試行錯誤を繰り返しつつも発展途上ではありますが、2010という名前の付く製品としては、SCVMMと連動して、開発したアプリケーションのテスト環境を構築するものが提供されます
- System Center Service Manager
- とうとう、ITIL 実践のためのMS製品の開発が完了しました。日本語は少し遅れて(と言っても、もうすぐ?)登場します
- CMDB を持ち、インシデント管理や変更管理、問題管理などの機能を提供するとともに、Active Directory や System Center Configuration Manager、System Center Operations Manager などとの密な連携によって、構成アイテム登録の自動化やシステム監視アラートからのインシデント発行など、「”これ”と”これ”がつながると、もっと楽なのに」という運用管理者のご要望にお応えします
- System Center Virtual Machine Manager V.Next
- 開発中の SCVMM の次期バージョン (まだまだ先なので、具体的なセッションは無し)
- サービス(システム)を意識した仮想環境の自動構築、仮想アプリケーション配布、オフラインパッチング等の機能が追加され、仮想化管理を単なるインフラ管理からシステム管理へと押し上げることができそうです
- System Center Operation Manager による Windows Azure の監視
- Windows Azure 上に展開した企業特有のアプリケーションを社内システムと同じ画面から監視します
- 「クラウドにシステムを展開すると運用はいらない」というのは残念ながら違うと思っていまして、少なくとも自社特有のアプリケーション部分は監視・管理が必要になるでしょう
- それを、自社内のシステムと同じように監視・管理するのが我々の目的で、Operations Manager を使って1つの画面から監視を行うことができるようになるわけです。
- System Center Configuration Manager
- 今回は、Configuration Manager のセッションは受けられなかったのですが、V.Next のセッションも多かったですね
- 構成管理(コンピュータ管理)の製品として、キーノートでは Power Management や Desigerd Configuration Management (DCM) についてデモがありました
- コンプライアンスを考慮したときに、IT を強制管理していく必要も出てくるでしょう。Active Directory のグループポリシーも重要なのですが、管理の幅を広げ、さらには強制力を持たせたポリシー管理をもたらす Configuration Manager は、注目に値すると思います
- Windows Intune
- 去年の Microsoft Management Summit Japan の基調講演およびブレークアウトセッションで私がデモをしていた System Center Online Desktop Manager と Windows 7 のライセンスモデルとのコラボによって生まれたものだとお考えいただくのが良いかと思います
- 最初は中小企業様向けということですが、「運用管理ツールの運用を止める」事ができるオンラインツール+App-V などの使用権まで含まれているので、新しいOSを展開し、アプリは仮想化され、互換性はMED-Vでカバーし、さらにはクラウドから更新管理を行っていくという流れを1つの契約(サブスクリプション)でカバーできれば、契約やライセンス管理作業そのものも楽になりますね
- Opalis
- 昨年12月に買収したプロセス管理ツールです
- 例えば、「仮想マシンを作る」という作業をツールで自動化するのは簡単になりましたが、本来ならば勝手に仮想マシンを作られても困るわけで、インシデント処理や展開後のOSのアップデートも含め、いろんな作業が必要なります。この製品は、それを正しくプロセスとして管理できるのが特徴です。
- 日本語環境の話し、最新OSへの対応など、まだまだやらなければならないことはたくさんありそうですが、ツールそのものはやはり面白いですし、ポテンシャルを感じますね
- 私の一押しです
- Dynamic Infrastructure Toolkit for System Center
- Hyper-V や System Center 製品群をベーステクノロジーとして利用しつつ、プライベートクラウドのシナリオで運用ができる無償のツールです
- とうとう、企業様向けのものが表に出てきましたね。セッションには日本からご参加いただいた方も多くいらっしゃいました
- まだ未知数なところもありますし、Solution Accelerator シリーズでの提供なので、日本語環境での提供は難しそうですが、そこは日本の製品担当メンバーにがんばってもらいつつ、日本語の情報はTech Fielders などでみなさんと一緒に作っていければと考えていたりします
- System Center との接続の部分など、スクリプトはカスタマイズしやすくなっているようでしたから、実際に利用するかどうかにかかわらず、System Center の有効活用シナリオを知るという点でも参考になる部分は多いと思います
- 私も勉強しなければ。。。
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ちなみに、System Center Service Manager のセッションを聞いていて感じたことを正直に書いておきましょう。
個々の製品にはそれぞれにコンセプトがあり、それぞれに機能があります。
そして、企業内で運用を自動化していこうとすると、それぞれの機能をプロセスとしてつなぐ必要があるわけで、System Center Service Manager は独自の機能として他の製品との連携を密に果たそうとしています。
一方で Opalis のようなプロセス管理ツールもあり、どこで、どのタイミングで、どの製品を使うかは、悩む場面も出てくることでしょう。
製品が充実してきたからこそのうれしい悩みではあるのですが。。。
それで、個々の製品に依存しつつ自動化を進めていく部分と、Opalis によるプロセスの可視化を先に実行して、その後に各製品の機能を使って管理・運用していく部分、その切り分けに関するメッセージについては、私自身の大きな宿題だと認識しました。
とはいえ、マイクロソフトは総合運用管理ベンダーとして、着実に前に進んできています!!
運用管理ツールベンダーとしてのマイクロソフトにも是非ご注目ください。我々も盛り上げるべく、6月にはエバンジェリストでイベントやりますので、追ってお知らせいたします。
マイクロソフト 高添
P.S.
写真付きの解説をすると長くなってしまうので、別の投稿ではいくつか掲載したいと思ってます。 これも宿題でしたから、補足させていただきます。