Dr.高添の”誰でも”プレゼン 8 TIPS ~その4 拡大ツールを活用しようの巻~

こちらのページ↓の下の方に公開しているPPTについて、先日も投稿した通り、細かく解説していこうと思います。
http://www.microsoft.com/japan/powerpro/TF/sanka.mspx

~その1~はこちら
~その2~はこちら
~その3~はこちら


今日は、上記PPTでは触れなかったプレゼンテーション時の拡大ツールについてお伝えしたいと思います。

※ 実は名古屋のイベントにご参加いただいた方からご質問をいただいたので、これもお伝えすべきだと考えました。

さて、拡大ツールのメリットは、「画面を拡大して大きく見せること」だけではありません。

私が拡大ツールを多用する理由はこちらです。

  1. 自分が話しをしたいところをクローズアップさせる
    • 「参加者」と「プレゼンターである私」がスライドの同じ場所を見ている状態を作ることができる
    • (親切に見えて実は参加者にはわかりにくい) レーザーポインタを使用しなくてよい
  2. 1枚のスライドに多くの情報を詰め込むことができる
    • 元来、プレゼンテーション資料のフォントサイズは大きい方がよいとされていました
      • 諸説あると思いますが、20ポイントが1つの指針で、できれば20以上、どんなに小さくても16という感じだったと思います
      • しかし、フォントを大きくすると、1枚のスライド内で表現できる情報量は少なくなります
      • 「プレゼンテーションだからそれでいい」
        そう。資料を見てもらうのがゴールではなく、資料を見ながら”しゃべりで伝える”からプレゼンテーションですから・・・
      • とはいえ、手元に残る資料にはできる限り情報が載っていてほしいという声もあります
    • ちなみに、大きいフォントで、多くの情報を伝えようとすると、枚数を増やすことになりかねません
      • これが厄介です
      • よほど練られたシナリオでなければ、ページをめくるたびに前に伝えたものは薄れていきます 
    • そこで出てくるのが拡大ツールの有効活用です
      • 拡大ツールありきのプレゼンテーションスライドの場合、フォントの大きさにはあまりこだわりません
      • それよりも、1枚のスライドで伝えたいものは1枚に収めることを重視します
      • たとえばこちら
      • マイクロソフトが提供する機能モジュール
      • これは特殊な例ですが、このスライドを複数枚に分けてしまったら、意味が薄れてしまうのは目に見えています
      • でも、拡大ツールを使うと、各項目をつなぐ線の意味も含めて解説していくことができます
        • 中心点がどこにあり、そこから派生して何がおき、それが更に何かを生み出している。。。みたいな
      • 特に、全体像から詳細に落としていくような説明の場合には、有効でしょう

というように、「プレゼンテーションだからフォントを大きく」という時代は終わりました。

これによってプレゼン手法も、そして資料作りそのものにも変化が起きてくるはずです。

もちろん「フォントを小さくすればよい」というわけでもないので、「ページに最低限何を盛り込むべきか?」という視点からスライド作りをスタートさせ、出来上がったスライドにプレゼンテーションを合わせればよいでしょう。

ちなみに、動きを見てもらいたいものについては、フォーカスではなく今まで通りアニメーションを駆使するとよいでしょう。

今までのプレゼンテーションのノウハウ、拡大ツールを使った新しいプレゼンテーション、そしてアニメーション、この3つをうまく組み合わせながら、参加者の頭の中にいかにスムーズにイメージを残していくかを考えてみるとよいでしょう。


えらく前置きが長くなってしまってすいません。 拡大ツールの話しでしたね。

私がいつも使っているのは Zoomit(ズームイット) というツールです。

マイクロソフトが提供している無償ツールの中に Sysinternals というツール群がありますが、

http://technet.microsoft.com/ja-jp/sysinternals/bb842062.aspx
(Process Explorer などは結構有名なのではないかと)

Zoomit はその中の1つで、上記ページやこちらからダウンロードできます。

http://technet.microsoft.com/ja-jp/sysinternals/bb897434.aspx
(日本語ページのスクリーンショットはバージョン 3.03となっていますが、
ダウンロードされるのは最新のバージョン4.1です)

この Zoomit を簡単に説明すると、指定されたキーを押すと瞬間的に画面をキャプチャし、拡大してくれるというシンプルなものです。

インストール作業は不要で、Exe 1つで動くので、とても重宝しています。
(USBメモリで持ち歩くことも)

もう少し詳しく使い方を説明すると、exe を起動後、Ctrl キーを押しながら数字の1~4を押して動かします。(=Escで戻る)

  1. Ctrl+1 で拡大
    • マウスカーソルを中心点として拡大します
      • 拡大したい場所にあらかじめマウスカーソルを合わせるとカッコ良くみえる
    • 上矢印キーでさらに拡大、下矢印キーで縮小します
    • マウスを左クリックすると赤い点が現れ、フリーハンドで線が描けます
      その状態から
      • Ctrl キーを押しながらマウスを動かすと、四角の枠が描けます
      • Tab キーを押しながらマウスを動かすと、丸い枠が描けます
      • Shift キーを押しながらマウスを動かすと、真っ直ぐな線が描けます
      • Ctrl+Shift を押しながらマウスを動かすと、矢印が描けます

        ※ 慣れるまでは、使い分けよりも1つに絞った方がいいかもしれません
        ※ 私は基本的に Ctrl キーだけにしています
  2. Ctrl+2 を押すと、拡大せずに、線が描けるようになります
    • 使い方は2と同じです
  3. Ctrl+3 でカウントダウンタイマーを表示します
    • 休憩時間などに利用してください
  4. Ctrl+4 は比較的最近付いた機能で、拡大したまま操作ができます
    • Ctrl+1 はスナップショットなので、拡大したまま操作ができませんから、大きな機能追加です
    • ただ、私が使った限りマウスカーソルの動きが鈍かったり、まだまだ不安定な気がして、あまり使っていません

他にも、描画する際のペンの色を変更したり、白板や黒板を表示して図を描いたりと、いろいろとできます!

以下はZoomit のオプション画面です。

image


それから、もう1つ。

Windows 7 を使っている方は、Windowsキー+プラスキーで拡大してくれます。

この機能では、上記で言うところの Ctrl+4 に相当するので、拡大したまま操作が可能です。

Windows Server 2008 R2で利用することもできますが、うる覚えなので、別途確認をしてブログに投稿しておきます。
(デスクトップエクスペリエンスとXPS、Aeroを有効にするという手順が必要だったような)

なぜうる覚えのままかというと、私はコードを書くようなデモをする機会はなく、入力するとしてもユーザー名やパスワードが主なので、Zoomit で十分だったりするので。。。

さて、解説してきたように、拡大ツールは非常に有用なツールです。

ただし、いつ・何を使うかはプレゼンター次第です。そして、拡大ツールをうまく使うことがゴールではなく、伝えることがゴールであることを忘れずに、しばらくの間は「ご自分が一番やりやすい方法」を探していただければよいのではないでしょうか?

マイクロソフト 高添