日本の労働生産性は米国の7割

日経BP社サイトの大前研一さんのコラムに、日本の労働生産性が米国の7割であると書いてあります。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/a/79/02.html

詳細は記事を読んでもらうとして、簡単に書くと業務のIT化が他国に比べて遅れているのが原因のようです。しかも、システム会社に対して厳しい言葉も書かれていますね。

「システム会社が“サイバーゼネコン”化し、それとともに彼らもまた競争力を喪失し、世界では勝負できないドメスティックな会社となってしまった。もちろん短期的に見ればその方がもうかるのだが、長期的に見れば日本全体の競争力、すなわち生産性の低下につながっているのだ。」


私は新しい技術を訴求する立場でもあるのですが、新しい技術の話しを自分とは関係ないものと思う人がすごく多いようにも思えます。

「新しいものは工数がかかるからやらない」とか、「そんな話しを聞いてもすぐには使はないから意味がない」とかは、プロジェクトを締め切りまでに終わらせることに終始せざるを得ないプロジェクトマネージャや現場のエンジニアの立場になってみれば分からないわけでもないんです。

ただ、このままでは大前さんのご指摘は正しいと、全く反論ができなくなってしまう気がしてしまいます。
そして、それはとても寂しいことなので、上記記事と関連して私が気になっている点を2つ書いておきます。

  1. 「新しいもの」と「違うもの」を同じように扱わないでほしい。

    単に競合している2つの技術があって、ずっと片方を使っていたのに突然違う方を使うことになれば、余計な工数がかかるからやりたくないという気持ちはわかります。ただし、「新しいもの」には新しいなりの良さはあるはずですから、それを使う気になれば余分な工数以上のメリットが得られる可能性もあるはずです。それを、「今までと違うもの」としか見れないのであれば、間違いなく時代から取り残されていくことになります。

    実際に利用するかどうかは別として、新しいものについては、会社やプロジェクトのメンバーの誰かがウォッチしておくべきだと思っています。

    (単に違うものを使わないといけなくなったのであれば、それは会社としての先見性や方向性に問題があったと考えることもできます。お客様が見えていないからなのかもしれません。)
  2. 「すぐに使わない」と「聞いても意味がない」を一緒にしないでほしい。

    これは、私がエバンジェリストになって強く感じ、去年のTechEdスペシャルセッションでも話した内容につながるのですが、Web2.0も含め、今は新しい技術よりも新しいアイデアがIT業界を支えています。そのような状況に置いて、どんなに素晴らしいアイデアマンが近くにいても、そして今までになかった有益なアイデアを社員が思いついたとしても、会社として、そして1人のエンジニアとして「聞いても意味がない」という意識が蔓延してしまっては進歩は望めません。

    多くの意見を聞けば、多くのヒントがあちこちに隠れていることがわかるはずです。
    聞いてみるくらい損はないと思ってもらえるといいのではないでしょうか。

****
実際には、ほんとに時間が無い人が多いのはわかってます。正直私もその一人ですから。ただ、そういう人は、気持ちから入ってもらえればと思います。

そして、4月に入社した新人さんが、集合教育を終え、そろそろ配属先にくるころかと思いますが、絶対に新人さんの気持ちを萎えさせてしまうような一言だけは言わないようにお願いします。現実を理解させることと、夢も希望も自分すらも捨てさせるのは違うはずだから。

「そんなの聞いても意味ないよ」と言われるのと「いろいろと勉強させてあげたいけど、今はその余裕がないから我慢してプロジェクトの仕事がんばってくれ」と言われるのでは違いますよね。

要はそんな感じの事を書きたかったわけです。

よろしくお願いします<( )>