ファイルサーバーについて伝えたいことが山ほどあった ~セミナーをやっての感想~

皆さん、こんにちは。

エバンジェリストの看板を下ろして約2か月、ちょっと長めの正月休みや2週間にもわたる体調不良との闘いはあったものの、久しぶりに「日々の忙しさに追われ続ける」生活からは解放され、ゆっくりと考える時間を作ることができました。そして、私らしいことを続けたいという私自身の思いと、高添らしさは失ってほしくないという上司や同僚の温かいコメントをうけて、エバンジェリストかどうかは関係なく私が知っていること、気づいたことをきちんと日本市場に伝えて、その活動を新しい部署のビジネスにつなげていこうと思うに至りました。

そこで、早速マーケティング部門のメンバーとも相談し、セミナーをやろうという話になり、最初に用意したコンテンツが今日セミナーをした

「IT残予算で社内インフラを刷新! 高速化・強固なセキュリティを実現するファイルサーバー見直しセミナー」

でした。

予定時間を15分近くもオーバーするというやってはいけないミスを犯してしまったため、それはきちんと反省をしております。

ただ、最初に選んだファイルサーバーという内容については、残予算という言葉が正解だったかどうかはわかりませんが、一部の方にとってすごくタイムリーだったのは事実のようで、終わった後にお声がけいただいた方々とは楽しいお話もさせていただきました。いきなりクラウドでもなく、オンプレミスありきでもなく、ファイルサーバーというテーマから入って、今最適な機能を組み合わせてもらうという内容がヒントになったのであれば幸いです。また、エバンジェリスト業のように数年先を見据えて云々・・・というのではなく、直近の課題に対する解決策を提示するセミナーとして価格面のお話もさせていただきましたが、それはそれで私の中でチャレンジでして、営業リソースとして演じ方(しゃべり方)はもう少し勉強が必要だなと思った瞬間でもありました。

なぜファイルサーバーか? 実は、ファイルサーバーのセミナーで前からやりたかったんです。でも、マイクロソフトとしては SharePoint や OneDrive for Business などのオンラインサービスにも興味を持っていただきたいという思いも強いですし、エバンジェリストの時だと競合他社に負けないように業界の先頭で旗を振るという意識がとても強くなりますので、ファイルサーバーよりも最新のネットワークやストレージ、プライベートクラウドのような話に時間が割かれていき、結果的に他をやる余裕をなくしていました。これからも最新のネットワークやストレージ、プライベートクラウドの情報発信を(絶対に)引き続きやっていきますが、まずはファイルサーバーについてのセミナーができたことが私自身もうれしいです。

ちなみに、セミナーで語った内容は、古いファイルサーバーのリスクやファイルやファイルサーバーに関するセキュリティの話、クラウドに目を向けた時に新たな発見があるという話、そして今どきのファイルサーバーの機能のおさらいなどですが、機能のおさらいのために説明した10項目がこちらになります。

  1. 容量制限:クォータ
  2. 拡張子による書き込み制御:ファイル スクリーン
  3. ファイルサーバーのレポート:記憶域レポート
  4. ファイルの自動分類 (FCI:File Classification Infrastructure)
  5. 共有フォルダーの一元管理:サーバーマネージャーへの統合
  6. 通信の超簡単 暗号化設定
  7. 通信の効率化/高速化:チーミング/SMB3
  8. 重複除去:Dedupulication
  9. 低コストで実現するストレージ高速化:階層化ストレージ
  10. 低コストで実現するストレージの複製:記憶域レプリカ

どうでしょう?Windows Serverに詳しい方は、前からある機能の話が多いことに気づいたと思います。このセミナーでも正直にそうお伝えしました。ただ、知ってもらったうえで使われないという選択をされたのなら仕方がないですが、知られていないまま選択肢にも上がらないというのはなんとも寂しいですし、そういう場面を多く見てきたので、そこはきちんとお伝えしたい(おさらいしたい)と思いました。

上記の各機能について気になった方は、Webで調べてもらえれば情報も出てくるとは思いますが、Windows Server 2016 ベースで実際の動作を検証したものもありますので、ブログでも紹介していこうと思ってます。特に、クライアントからファイルサーバーに対して行う際のパケットを分析して、普通の場合と暗号化設定をした場合の違いを確認するところなどは、試していて面白かったのできちんと紹介したいところです。ただ、スライドの準備がギリギリになってしまい、当日のデモが手際の悪いものになってしまったのはすごく反省しています。

あそこは見せ場の1つだったはずなのに・・・くやしい(汗)


さて、たった2か月ではありましたが、休憩が長かったせいか、長く話すと疲れるようになってしまったので、体力もつけなければというのがもう1つの反省です。

ではでは、これからもブログでの情報発信をお楽しみに!

日本マイクロソフト 高添

P.S. 新しいブログここにいます2もどこかのタイミングで開始します。

Windows Server 2016 テクノロジ入門 完全版はさすがの情報量!

年末に Windows Server 2016 テクノロジ入門 完全版という書籍が登場しました!

ws16book

https://www.amazon.co.jp/dp/4822298566

マイクロソフトによるWindows Server 2016への思いは以前から何度となく伝えてきました。製品が出てくる前に「すでにセミナーでしゃべっちゃったからなあ」という場面が何度かあり、少し早すぎたかなと思ったこともあります。ただ、実際に市場に投入された後にはあまり動けておらず、いろんな方からWindows Server 2016 への期待について教えてもらうにつけ、情報発信のタイミングの難しさを思い知らされます。

さて、そんな状況の中、面白い書籍が登場しました。

Windows Server 2016 に関する 機能紹介本はこれから多く出てくることでしょうが、Windows Server 2016を実際に触ってみようと思う方は、作業に入る前にこの本に目を通しておくとよいでしょう。

<<<著者は山内 和朗さん>>>

Windows の過去を知り、方向性を知り、最近の動きを知り、そして常に自分の目線で冷静にテクノロジーを解説できる人。

たとえば、この本の最初にMicrosoft Igniteという言葉が出てきます。なぜなら、このイベントこそWindows Server 2016が正式に世の中に登場したからです。

十分過ぎるほどの物量なので、わざわざ書く必要はなかったかもしれませんし、無理して文字数を増やそうなどとは微塵も思わなかったでしょう。

それでも、あの瞬間を大事にしてくれたことはとてもありがたく思っています。

また、Windows Server はサーバーOSですが、主要機能の中には Windows 10 の機能と連動するものも多くあります。そこで、この本ではクライアントOS側の話に近い部分も軽視をしていません。

実装をする人にとって、その両方を知っておくべきだと判断してくれたのでしょう。

ソフトウェアアシュアランス(SA) にまで触れてあるのは驚きましたが、Windows Server 2016 の Nano Serverを語る上では不可欠ということで、この本を執筆するにあたり面倒だなと思う部分まで細かく追及してくれた跡が残っています。

<<<これまでの積み重ね>>>

実際にWindows Server 2016を検証しようとして引っかかる点、山内さんは自らそこをクリアしながら情報を蓄積してくれているので、文章の端々に彼ならではのコメントやヒントのような文章が載っています。それらを斜め読みするだけでも勉強になります。

ちなみに、山内さんのブログは検証してすぐに書いてくれるので、苦しんだりオヤッと思ったりしたときにその感じを隠さず書いてくれます(笑)。解決すると修正もしてくれますし、私は現場のエンジニアさんの気持ちを理解するうえでもすごく参考になるブログなのですが、この書籍では、それらをきれいな言葉で読みやすくしてくれています。

<<<780ページ>>>

このページ数で、タイトルに「完全」と書いた意味が分かります。

たとえばActive Directory の項では、避けて通れないAzure ADとの同期などにも触れてくれています。あくまでもテクノロジ入門であるにもかかわらず、ポイントポイントが入門を超えているのです。

偶然ですが、私はちょうどお客様からの質問に答えるため Remote Desktop Services の情報収集をしていて、とても参考になりました。エンジニアとして新しいことにチャレンジする際には、検索をしながら情報を集めていくという作業をするでしょうが、ここまでまとめられていると、いろいろと調べる前にこの本を確認しておいたほうが効率的だと思いました。載っていない、この本だけでは足りない時に検索するという順番でもよいかとも思います。

それから、マイクロソフト系の技術を生業にしている企業様でWindows Server 2016を軸にしていかないといけない場合には、数名のエンジニアでこの本の読み合わせをしてもよい気がします。ざっくりとでもこの本に書いてある全体像を理解していれば、お客様との会話もスムーズに運ぶことでしょう。

書籍ってやっぱりいいですね!

日本マイクロソフト 高添

とうとう50社147名が参加するコミュニティへ!

皆さん、遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

別途用意してある新しいブログですが、最初の投稿をどうするか悩みながら良い文章がなかなか書けず(汗)、とりあえずいつもの場所からブログをスタートさせていただきます^^

さて、最初は「Microsoft Azure Stack 研究会(マスケン)」のご報告です。

Azure Stack が世の中に出てくる前に息切れする必要もないので、ウォーミングアップ中のような感覚でゆっくり進めてきた Microsoft Azure Stack 研究会ですが、年末に1社からご連絡をいただき、とうとう50社147名が参加するコミュニティとなりました。ご参加表明をいただいた皆さま、どうもありがとうございます!

(順不同、敬称略)

株式会社アルファネット 株式会社インターネットイニシアティブ NTTコミュニケーションズ株式会社 株式会社NTTデータ F5ネットワークスジャパン合同会社 関電システムソリューションズ株式会社 クリエーションライン株式会社 さくらインターネット株式会社 GMOインターネット株式会社 TIS株式会社 シスコシステムズ合同会社 株式会社 DMM.comラボ データコア・ソフトウェア株式会社 デル株式会社 トヨタメディアサービス株式会社 株式会社豊通シスコム 日商エレクトロニクス株式会社 日本SGI株式会社 日本ビジネスシステムズ株式会社 日本ヒューレット・パッカード株式会社 日本ユニシス株式会社 ニュータニックス・ジャパン合同会社 ネットアップ株式会社 株式会社ネットワールド 野村総合研究所 パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社 ビットアイル・エクイニクス株式会社 株式会社FIXER 株式会社pnop 三井情報株式会社 三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社 ユニアデックス株式会社 レノボ・ジャパン株式会社 株式会社ネットワークバリューコンポネンツ 株式会社リクルートテクノロジーズ 株式会社ビービーシステム Chelsio Communications Inc. 株式会社TOSYS 株式会社アルティマ NHNテコラス株式会社 有限責任あずさ監査法人(KPMGグループ) 株式会社ブロードバンドタワー 新日鉄住金ソリューションズ株式会社 株式会社ISAO Qlogic アバナード株式会社 ネットワンシステムズ 株式会社 GMOクラウド株式会社 株式会社中電シーティーアイ イーグローバレッジ株式会社

純粋に興味があるという理由でご参加いただいた企業様も、実際に使うかどうか、提供するかどうかの判断材料を求めてご参加いただいた企業様もいらっしゃいますが、12月21日に実施した第三回集会には年末にもかかわらず90名近い(関係者を入れるとかなりの数となりました)方にご参加をいただくなど、期待の高さをひしひしと感じております。

集会のみならず、SDNワーキンググループの勉強会は非常に濃い話が出て、とても楽しませていただきましたし、他のワーキンググループも、急ぎ過ぎず、Azure Stack 登場時に良い感じになるよう進めていければと思っています。あと、参加企業様のご協力で会場を確保出来たり、検証報告をしていただいたり、私が執筆してきたマイナビニュースのAzure Stack 記事 (https://news.mynavi.jp/itsearch/article/cloud/1338) も NTT データさんが TP2 の検証レポートを執筆をしてくれたりと、部署異動など個人的にもいろいろあった数か月を研究会のおかげで乗り切れた気がします。

関係者の皆さん、本当にありがとうございます。

ちなみに、第三回集会は年末の忘年会的懇親会も兼ねていたので、製品担当チームから予算を出してもらってノベルティを作りました。

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良い雰囲気のロゴにはなったと思ったのですが、急ぎで作ったので考慮が足りず、マスケンではなく丸ケンになってしまいました(汗)

公開はしませんが、この手袋をはめてみんなで撮った集合写真はかなり面白いことになっています^^

そして、丸ではなく升をかたどったマスケンロゴも作ってあります。こんな感じ。

MaskenLogoNew

本格的な活動は TP3 が登場前後になるかもしれませんが、Azure Stack が良い形で日本市場に受け入れてもらえるよう、研究会に参加されたみなさんがこの会のメンバーでよかったと思ってもらえるよう、引き続き研究会のメンバーとの情報共有を進めつつ、様々な理由で研究会にご参加いただけない皆様にも情報発信を進めていければと思ってます。

それでは、本年もどうぞよろしくお願いします。

日本マイクロソフト 高添

【報告】エバンジェリストの看板を下ろすことになりました。

皆さん、こんばんは。

高添です。

既にご存知の方もいらっしゃいますが、このたび、11年半ほど続けさせていただいたエバンジェリストの看板を下ろすことになりました。これまでセミナーなどに足を運んでいただいた皆さん、応援していただいた皆さん、ご支援いただいた皆さん、そして私に期待をしてくれた皆さんに心から感謝しています。

本当にありがとうございました。

わたしは明日2016年11月28日から違う部署に異動し、パートナー様を担当する部隊でハイブリッドクラウドビジネスを技術的な観点から支援することになります。パートナー様担当の部隊は社内にいくつかありますが、私はその中の1つで、特定のパートナー様にずっとついている感じではなく、案件やプロジェクト、人材育成などを後方からご支援させていただくことになりそうです。具体的には動いてみないとわからないことも多いのですが、これまでやってきたことと全く違う仕事ではなさそうですし、高添らしさの追求はどこにいても考えておきたい私のテーマですので、チャレンジは続けていこうと思っています。

何人かの方は、「じゃあ、あの活動はどうするの?」なご質問が頭に浮かぶことと思いますが、一応はご安心ください。

  1. Microsoft Azure Stack 研究会 (マスケン) は、私が先頭に立ち、引き続き続けていきます!
  2. コミュニティ活動や勉強会への参加は、業務に支障がない範囲にはなりますが、できる限り続けていきます! ※今や、コミュニティの皆さんとのパスは私の宝物ですので、引き続きできる限りご一緒できればと思っています。 ※逆に、エバンジェリストでは無い私でも価値があれば是非お声がけください。
  3. 外向けの情報発信も続けていきます! ブログ、Azure Stackの記事、書籍なども続けますし、エバンジェリストの時ほど忙しくなくなれば、より活発に活動しているかもしれません(笑)

簡単に書きましたが、もちろん悩みました。

私自身、エバンジェリストを天職だと思っていましたし、多くの方から支えていただき、多くの方に喜んでいただき、自分がIT業界の役に立てているというあの満足感は何にも代えがたいものでした。ただ、世の中がこれだけ変わっていく中、これまで通りでは済まないことも多々あり、私が理想とするエバンジェリスト像を追い求めることが難しい状況になってきたことは事実で、これからについていろいろと考えてきました。この数か月、セミナーやイベントで「時代は変わりました。皆さんも新しい時代に向けて変わりましょう!」と言い続けていましたが、それは私自身に対するメッセージであったわけです。

お陰様で、次のステップを考えていると聞いたという方からも、そうでない方からもお誘いをいただき、比較的余裕をもって自分の今後を考えた結果、明日から行く部署に決めました。

今後ですが、マイクロソフト社内から情報を発信し続けるために社内に残ったので、エバンジェリストという看板は下ろしても、私の中に残るエバンジェリスト魂が消えない限り情報発信源であり続けたいと思っています。しばらくは新しい場所に慣れるために動きが見えなくなるかもしれませんが、引き続きマイクロソフトの高添をよろしくお願いします。

なお、私にとっては大きな決断だったので、ブログについても悩みました。

Microsoft Azure Stack 研究会については、このブログが起点になっているので、そのままこちらに書こうと思います。

ただ、私自身がこれから目指そうとする世界は、「エバンジェリスト高添」とは少し違うかもしれず、もう1つのブログ「高添はここにいます2」を立ち上げました。まだ書いてませんが、TechNet ブログのサイトにはない何かを書いておこうと思っていますので、そちらもどうぞよろしくお願いします。

来週月曜日 (10/17) :久しぶりの関西支店セミナーは Windows Server 2016 & Azure Stackです。

諸事情があり、自分で企画するセミナーはかなり減ってしまいましたが、相変わらず週2、週3でプレゼンをすることも多いです。

来週火曜日もネットワールドさんのイベント登壇のため大阪に出張することが決まってまして、よい機会なので月曜日はMS関西支店で誰でも参加可能なセミナーをやることにしています。

Windows Server 2016 & Azure Stack勉強会 ~大阪~ http://masken.connpass.com/event/41505/

正式発表をした Windows Server 2016 と、来年の登場に向けて着実に期待が高まっているAzure Stackについてのセッションです。


14:30:受付開始

15:00~16:00 Windows Server 2016 との向き合い方

         最新データセンター技術、セキュリティ、アプリケーション基盤としての
         Windows Server 2016 の魅力を徹底解剖します。

16:10~17:00 Microsoft Azure Stack という新しい選択肢

         パブリッククラウドAzureのメリットを自社内に持ち込める Azure Stack
         注目のTP2の内容も含め、クラウドファーストなハイブリッドクラウドについて
         解説します。

17:00~ Q&A

11月1日~2日の Tech Summit の準備もしたくて、短時間のセミナーにはなっていますが、きちんとメッセージを伝えに行けるタイミングをうまく活用したいと思ってますし、必要に応じてQ&Aの時間を長めに取ろうと思いますので、関西もしくはそれより西の方でWindows Server 2016やAzure Stackに興味がある方がいたら、是非この機会をお見逃しのないようにお願いします。

それでは来週、大阪にてお会いしましょう!

Ignite@Atlantaの簡易報告と、日本でのイベントTech Summit について

皆さん、こんにちは。高添です。

9月の最終週にアトランタで開催したイベント Microsoft Ignite に参加してきました。

Microsoft Ignite とは「マイクロソフトのポテンシャルとパワー、エコシステムを体で感じることができる巨大なイベント」です。

このイベントは、23000名もの参加者が集まる巨大なイベントで、ブレークアウトセッション数だけでも600を超え、そこにシアターというミニセッションが400弱。エキスポもハンズオンもあり、それを受け止めるイベント会場の大きさは、セッションルームの端から端まで歩くのに15分以上もかかってしまうくらい・・・全部を理解したければ、体が10個あっても足りない・・・そんなイベントでした。


さて、そんなイベントへの参加報告もかねて、少し今年のIgniteで感じたことを書いておこうと思います。

まず、私のブログを見てくれている方は「 Windows Server 2016の正式発表の場だった」というのが大きなポイントでしょう。実際、キーノートの中で正式発表も行われました。

ただ、これまでのように新製品の名前と「Announcement」というスライドだけで会場が沸き上がるといった光景はありません。

マイクロソフト自身がTransforming(変革の途中)であり、これまでのようなプロダクトを軸としたメッセージに自ら終止符を打ったといえます。

正直、十年以上 マイクロソフトエバンジェリストとして活動し、 Windows Server 2003 R2のタイミングから新製品発表の先頭に立たせてもらっていた身としては、少し寂しい思いがしました。

と同時に、あらためて”メッセージ”の重要性に気づきました。

私は新製品の情報をお届けするという仕事をしている時から、メッセージを届けたいと思っていました。機能の話は必要です。ただ、新製品にも新機能にも生まれた背景がありメッセージがあります。機能はドキュメントに書いてありますが、メッセージは伝える必要があります。そして、メッセージが伝わるかどうかが製品や機能の採用に大きく影響するのだと信じています。

なので、今回のイベントに参加をし、寂しい思いをしたのと同時に、ようやく本来の姿になってきたんだなあとホッとしたのもそのためです。

メッセージありきというのは、Satyaが最初のキーノートにメインで登場せず、Innovation Keynoteと題して自らのメッセージを伝えていたことからもうかがえると思います。

今回はそれを分けました。とても良いと思いました。

マイクロソフトにとっても、聞いてくれているお客様にとっても、両方とも大事なので、別でよいのです。

そして、ブレークアウトセッションの内容もかなり充実していました。

キーノートでプロダクトが主役ではなくなっていたものの、ブレークアウトセッションではプロダクトやテクノロジーが主役です。ここも大事!

ちなみに私は、イベント全体を理解したいほうなので、いろんなセッションに出てみたり時間を見つけて普段接することがないプロダクトのスライドを眺めたりするのですが、今回はAzure Stackの最新情報をすぐに日本に持って帰る必要があったので、久しぶりにターゲットを絞っての参加でした。

すごく充実した一週間でしたし、日本からご参加いただいた多くの日本人の方ともお話をさせていただきました。

さて、来年はオーランドです。

行って損はありません。それだけは断言します。

それでも海外のイベント参加はさすがに難しいという方も多いでしょう。

それなら、日本のイベントにご参加ください。

Microsoft Tech Summit

※ 皆さんが一番知りたいであろうセッション一覧はこちら

午後半日のセミナーとかではなく、2日間丸ごと技術漬けになることの素晴らしさを感じることができるはずです。

私は、セッションを4つ担当します。

Microsoft Datacenter Platform Vision & Strategy

・最新技術満載の Windows Server 2016 が描く未来

・デモで比較! Azure & Azure Stack

Microsoft Azure Stack IaaS Deep Dive

全力でメッセージを伝えるつもりです。

また、このイベントには、 Azure 、オンプレミス、データプラットフォーム、アプリプラットフォーム、Windows 10、セキュリティ、運用管理など、さまざまなセッションをご用意していますので、私のセッションだけでなく他のセッションにも是非ご注目ください。

「頭の中が新しいキーワードでいっぱいだ。もう無理、疲れた。でも、すごく楽しかった。」

くらいが良いです。

その疲れが、自分を成長させてくれますので。

まだという方は是非会社にOKをもらってお申し込みください。

それでは、会場でお会いしましょう!

マスケン (Microsoft Azure Stack 研究会) が45社132名まで拡大中!

Microsoft Azure Stack のポテンシャルをどう日本に伝えればよいか・・・

それなりの数のお客様が使ってくれそうだから、その後押しさえすれば盛り上がるか・・・

いや、非常に面白いソリューションではあるけれど、技術的に見ても広くて深いので、各社に委ねて済むものではない・・・

マイクロソフトが個別にお客様やパートナー様向けに情報提供するにしても限りがある・・・

やはり、ベンダーとかユーザーという立場を超えて、みんなで知識を持ち寄り、意見交換をしながら進める必要がある。

そんな思いもあって、マスケン (Microsoft Azure Stack 研究会)を立ち上げました。

セミナーに参加する感覚ではなく、積極的に関与していただく必要があるため、企業名公開など敷居を上げたつもりでしたし、当初は、十数社30人くらい集まってもらって、喧々諤々やれればよいとも思っていたのですが、気づけば45社132名の企業の方々に参加表明をしていただき、コミュニティとしてもかなりの大所帯となりました!

ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございます!

【参加企業名一覧 ~順不同、敬称略~】

(※なんとお詫びをしてよいやら、IIJさんが抜けておりました。本当にすいません。赤字で追加させていただきました!)

株式会社インターネットイニシアティブ (IIJ)
株式会社アルファネット
NTTコミュニケーションズ株式会社
株式会社NTTデータ
F5ネットワークスジャパン合同会社
関電システムソリューションズ株式会社
クリエーションライン株式会社
さくらインターネット株式会社
GMOインターネット株式会社
TIS株式会社
シスコシステムズ合同会社
株式会社 DMM.comラボ
データコア・ソフトウェア株式会社
デル株式会社
トヨタメディアサービス株式会社
株式会社豊通シスコム
日商エレクトロニクス株式会社
日本SGI株式会社
日本ビジネスシステムズ株式会社
日本ヒューレット・パッカード株式会社
日本ユニシス株式会社
ニュータニックス・ジャパン合同会社
ネットアップ株式会社
株式会社ネットワールド
野村総合研究所
パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社
ビットアイル・エクイニクス株式会社
株式会社FIXER
株式会社pnop
三井情報株式会社
三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社
ユニアデックス株式会社
レノボ・ジャパン株式会社
株式会社ネットワークバリューコンポネンツ
株式会社リクルートテクノロジー
株式会社ビービーシステム
Chelsio Communications Inc.
株式会社TOSYS
株式会社アルティマ
NHNテコラス株式会社
有限責任あずさ監査法人(KPMGグループ)
株式会社ブロードバンドタワー
新日鉄住金ソリューションズ株式会社
株式会社ISAO
Qlogic

※ Azure Stack 導入予定企業ではなく、研究のためにご参加されている企業様も含まれています。

プライベートクラウドを企業にスムーズに導入するにはどうすればよいか、何かが起きた時に対応するため Azure Stack の SDN を徹底解剖しておこう、ストレージ機能もしっかり理解しておかなければいけないだろう、Azure Stackというスピード感のある基盤上でDevOpsをやるにはどうしたらよいだろう、そんなワーキンググループも立ち上がっています。

第一回目の集会も無事終了し、最初に参加表明をしていただいた皆さんで接点を持ってもらうところまではできました。

ただ、これまではAzure Stackも TP1、ベースとなるWindows Server 2016のベータ相当で動作保証無しという状態。情報もかなり限られた中でコミュニケーションをしていたので、動きたくても動きにくい状態でしたが、9月26日からアトランタで実施した23000人も参加する技術者向けイベント Microsoft Ignite にて、Windows Server 2016もLaunchし、Azure Stackについても多くの情報が世に出されたので、マスケンもこれからがスタートと言ってもよいでしょう。

ちなみに、これだけの大所帯、MSのセミナールームをとるのも大変だなあと思っていたら、日商エレクトロニクス様やJBS様、TIS様、IIJ様などにもお声がけいただいており、場所の心配はなくなりました。こういうのがとてもうれしいですね!

本日は日商エレクトロニクス様の会場をお借りして Microsoft Azure Stack 研究会の第二回集会があるので、Microsoft Ignite のフィードバックを行いつつ、あらためて参加された皆様とともに、この研究会を盛り上げるためのディスカッションも進めていこうと思っています。

まだまだ間に合いますので、参加されたいという企業の方は、こちらをお読みいただき、ご参加表明をお願いします。

日本マイクロソフト 高添